医療法人 常心会 川室記念病院

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稲作を用いた新しい地域ケア(稲作ケア)の研究を遂行しました

概要                                 

川室記念病院では2016年度より、認知症や老年症候群など高齢期特有の状態を持つ人が、こころの健康や体の健康を維持しながら幸福に暮らすための新しい地域ケア(稲作ケア)の開発を進めてまいりました。
農業と医療・福祉の融合は、統合的・創造的構築形成ですが、まだ科学的効果が十分に検証されていない領域です。おかげさまで今年度は国際学会で注目され、農業大国オランダの大学を訪問し、共同研究の計画を進めることができました。今後、川室記念病院はこのような新領域に果敢に挑戦する、新たな時代をリードする精神科医療施設でありたいと思っています。
本研究は、川室記念病院のスタッフと、東京都健康長寿医療センター研究所の研究員による共同研究です。日本興亜福祉財団、日本学術振興会、川室記念助成を受けながら、上越市役所との協力のもと行われました。

詳細                                 

講演会
本年度は、上越市と共催した地元の方向けの講演会で始まりました。2017221日上越市民プラザで「認知症の予防とケアの最前線」と題した講演を行いましたが、参加者多数のため聴講できない人が多数でてしまい、急遽追加で425日にも文化会館で講演を行いました。ここで2016年度の研究事業の報告を市民の方に行うとともに、共に活動してくださるボランティアの方を募集しました。

キックオフミーティング
52日に初顔合わせの会をしました。昨年度共に稲作をした高齢者の方々に加え、近所のグループホーム2軒の皆さん、さらに遠方のグループホームの方も参加してくださることになりました。ボランティアとしては、地元の町内会長さんに加えて、近所の皆さん、食育を研究している大学院生の方、講演を聞いてきてくださった方など、多数の参加を頂きました。今年度は総勢30名以上の大所帯となりました!

田植え
66日に田植えをしました。あくまで昔ながらの方法にこだわり、皆で泥の中に入って手で植えました。今年は、苗を植える場所は型枠(この地域では「ごろ」といわれます)を使って印をつけました。
 
    みんなで仲良く田植え        左側に見えるのが「ゴロ」です

畑づくり
620日からは畑づくりです。川室記念病院の正面の空き地を借りて、なす、枝豆、かぼちゃ、ねぎ、白菜、サツマイモ、落花生などを植えます。ミーティングで、畑の名前は「みんなの妙高見える畑」と決まりました。そして、毎週火曜日の活動日には仕事で来られないのに、いつも縁の下の力持ちで助けて下さる素敵なボランティアさんが、何とカッコいい看板を作ってくれました。感動しました!
 
      カッコいい看板と共に        雨上がりの美しい畑

バーベキュー
95日、近くのグループホームの庭でバーベキュー大会を行ないました。老若男女、医療者も患者さんも、このときは関係なく楽しい時間を過ごします。

稲刈り
919日に稲刈りを行ないました。なんと昨年に引き続き市役所からも手伝いに来ていただき、上越市役所の方の郷土愛に感動しました。360kgの大収穫です!

 
   美しく実った稲穂        はさかけをして自然乾燥

収穫祭
1031日には病院の食堂で収穫祭を行ないました。ここでも上越市役所から部長さんを始め3名の方が来て下さり、激賞して下さいました!やはり米どころの自治体の方は、熱いですね。

成果                                 

学会発表

    1. C Ura, T Okamura, S Yamazaki, T Ishiguro, M Miyazaki, M Ibe, A Kubota, Y Kawamuro. Rice-farming care for people with dementia; A novel way of social participation for the elderly. The 21st IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics 2017. San Francisco
    2. 宇良千秋, 岡村毅, 山崎幸子, 石黒太一, 宮﨑眞也子, 井部真澄, 久保田あゆみ, 鳥島佳祐, 粟田主一, 川室優. 認知症の人の社会参加を促す稲作ケアの試み―認知症ケアのパラダイムシフトを目指して―第18回認知症ケア学会、沖縄、5.26-27
    3. 鳥島佳祐, 宇良千秋, 岡村毅, 石黒太一, 井部真澄, 宮﨑眞也子, 森橋恵子, 川室優. 認知機能障害をもつ高齢者への稲作ケアの試み―チームアプローチによる高齢者との共同作業― 第6回日本精神科医学会学術大会20171012日広島
    4. 岡村毅、宇良千秋.上越地域における認知症と稲作ケア.認知症の人のQOL向上のための稲作ケアのフィージビリティスタディー.医療連携の統合を目指す医療政策研究フォーラム(平成29 年度)201776日軽井沢

     学術論文

    • 宇良千秋、岡村毅、山崎幸子、石黒太一、井部真澄、宮﨑眞也、鳥島佳祐、川室優.認知機能障害をもつ高齢者の社会的包摂の実現に向けた農業ケアの開発;稲作を中心としたプログラムのフィージビリティの検討.老年医学雑誌 印刷中
    • Ura C, Okamura T, Yamazaki S, IshiguroT , Ibe M, Miyazaki M, Kawamuro Y. Rice-farming care for the elderly people with cognitive impairment in Japan: A case series. International Journal of Geriatric Psychiatry in press

    関連法人-「和・道」医療福祉グループ

    「和・道」医療福祉グループ
    医療法人高田西城会 高田西城病院
    社会福祉法人 上越老人福祉協会
    社会福祉法人 上越つくしの里医療福祉協会
    学校法人 上越保健医療福祉専門学校

    外部リンク

    東京慈恵会医科大学 精神医学講座

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